ITを使った未来の教室
高松小学校六年三組 岩城 優介
二〇三三年九月十日、今日は優太の学校で教育先端技術開発センターが開発した3Dイメージメガネを実際に試すことになっています。
優太のクラスでは夏休みの自由研究を発表することになっており、とうとう優太が発表する時がやってきました。優太は三十年前の教室についてお父さんやお母さんに聞いて調べたことを発表します。
クラスのみんなが3Dイメージメガネをかけると、優太が発表しようと思っていることが目の前に浮かび上がってきて、優太が考えていることや思っていること、人に伝えたいことなどがわかります。「僕は三十年前の教室について3つわかったことを発表します。」
「まず一つ目は、今は先生がコンピュータで書いたものが生徒一人ひとりの机の上に表示されますが、昔は黒板という緑色の板に粉を固めたチョークというもので書いた字を生徒がノートに写していたそうです。
今と比べるとすごくめんどくさいことをしていたんだなと思いました。でも、お父さんに聞くとノートに写すのも勉強のうちだったと教えてくれました。」
「二つ目は、今はみんな一人ひとりの腕時計に授業の知らせが来るようになっていますが、昔は放送で授業の開始を知らせていたようです。全生徒に、授業を知らせるとなれば、すごく大きなチャイムだったかもしれません。」
「最後の一つは、今は先生がスイッチを押すと生徒の机の右にプリントが届きますが、昔は、先生が印刷したものを手で配っていたそうです。先生が一人ひとりに配っていたのではなく、列で分けて配っていたそうです。その辺は苦労していたんだとお父さんが教えてくれました。」
優太の発表が終わり、次は優太の親友のたいじの発表です。
優太も3Dイメージメガネをかけてたいじの発表を聞きました。たいじの発表はモンシロチョウの一日についてでした。
たいじが、発表を始めました。「僕はモンシロチョウの一日の動きを観察したことを発表します。」優太のかけている3Dイメージメガネで見ると、まるで優太がモンシロチョウの上に乗っているかのような風景が浮かび上がりました。
モンシロチョウの背中から見えた景色は見たことのないものなども上空から見えました。ひらひらと穏やかに飛んでいたのに、いきなり花畑に舞い降りました。花の蜜を長い時間吸うとまた上空へ舞い上がっていきました。少しスリルが味わえました。
みんなの発表が終わり、3Dイメージメガネをかけて思ったことなどアンケートをとりました。
優太は、「3Dイメージメガネは、相手が伝えたい内容などをくわしく、分かるのでどんどんと使っていけば良いと思います。けれども機械にばっかり頼っている世の中になると人間はあまり動かなくなってしまうし、いつか機械が世の中を支配することになるかもしれないと思う。」という感想文をアンケートに書きました。
「三〇年後には、こんな教室になっていると思います。三〇年後が楽しみです。」 |